東京医療センターの重大医療事故(8)からつづく
■■■東京医療センター■■■
≪≪≪総括≫≫≫
一言でいえば、ひとえに『病院の選択を誤った』ことが誤算のはじまり。
『東京医療センターの先生方はみな慶応(病院)から来ている』、という元看護師長の話と慶応病院への信頼感から、母は東京医療センターで最高の医療を受けていると信じ込んでいたため、病院を変えるという選択肢はなかった。循環器科と産婦人科では最低レベルの医療処置を受けさせられた。
『無能で無責任な循環器科医師』と、『未熟で杜撰な産婦人科主治医』とのめぐり合わせの悪さ。既に退職していた産婦人科元看護師長による腹水治療方針への介入を許した、主治医のあきれるような無定見。
循環器科医師や産婦人科治医のような2流、3流の医師が、東京医療センターの看板で、一流ずらして診療に当たっているアンバランスに気づくことは難しい。
循環器科医師は『24時間ホルター心電図検査』の結果が『要観察』であり、『要治療』でもないのに、『百害あって一利なし』の心房細動治療薬を処方して、母の体調悪化を招いた。
循環器科医師は脳梗塞になると脅して、メインテート(降圧薬)、シベノール(抗不整脈薬)、エリキュース(抗凝固薬)を処方しておきながら、その後まともな経過観察もせず、『24時間ホルター心電図検査』結果も渡さないで、訪問医にすべて『丸投げ』するという無責任極まりない行動に出た。
循環器科医師に脈拍の低下を訴え、訪問医から循環器科医師の処方の減薬を指示されていると話しても、自身の処方の維持を求めるような、状況変化に的確に対応できない『ボンクラ医師』にめぐり合った不運、不幸。
1700mlしかなかったメインの腹水溜まりの腹水を強引に全量抜いてしまった主治医の医療処置は、定石を外した超愚策であり、母の医療事故の主因である。主治医の責任は極めて重い。
抜いた腹水はすべて廃棄するという、東京医療センター方式の腹水抜きはすべきでなかった。腹水は一度抜いても、すぐに溜まって、また抜くという繰り返しになり、体力を急速に奪って死期を早めてしまう。
主治医は、腹水を抜くと体力が低下して、全身状態が悪化し、死期を早めることになるという、基本的な事柄を理解していなかったようだ。実質的に医師にあらざる人物による医療行為であったも同然であろう。医師免許を保持しているからといって、医師としての基準を満たしているとはいえない。
それ以上の大問題は、精神疾患を発症して、うつ状態にあって注意力が減退していた研修医が腹水穿刺の際に、メインの腹水溜まりの腹水を全量流出させたことで、内臓に重大な損傷を与えてしまい、結局これが致命傷になったことである。
2015年4月22日に循環器科医師の処方薬をすべて止めた後、5月4日頃には、体調もかなり良くなっていたので、慌てずじっくりと様子見していれば、腹水抜きの必要はなくなっていたはずだが、4月28日に元看護師長にせっつかれた主治医が腹水穿刺を決断してしまった。
さらに言えば脳梗塞の脅しに屈せずに、循環器科医師の処方薬を服用しなければ破局を迎えることはなかった。循環器科医師は脳梗塞になると脅しておきながら、まともに経過観察もせず、『24時間ホルター心電図検査』の結果も渡さないで、訪問医に診察を丸投げするくらいデタラメでいい加減な医師だから、止めてもよかった。というより止めるべきだった。
『24時間ホルター心電図検査』結果は、『要観察』で『要治療』ではなかった。
循環器科医師のような『ボンクラ医師』の、『百害あって一利なしの処方』もさることながら、主治医は最終的に循環器科医師が処方した薬を全部止めさせたくらいで、副作用を理解していたのだから、もう少し早い段階で処方内容に介入してくれていればとの思いが残る。権限外ということもあるだろうが。縦割り組織の弊害か。
中野なおクリニックの院長も、もう一歩踏み込んで、循環器科医師の処方をすべて止めるように指示してくれればよかった。ただ『24時間ホルター心電図検査』の結果を受け取っていないので、難しい面はあるが。
循環器科医師が、『24時間ホルター心電図検査』の結果が『要観察』であったことを、母に知らせなかったため、判断しずらかった面はある。循環器科医師は、医師としての説明責任と告知義務に反した無責任な医師。実務的な用を足さない、骨董品のようなポンコツ医師である。
東京医療センターには保険診療点数稼ぎのノルマがあるのか。ノルマ達成のために、循環器科では無駄な検査、診察と不要な処方をしている。医師は自身の評価を上げるため、診療実績の積み上げばかりに頭がいき、患者の体調面には関心が薄いようだ。
だとすれば東京医療センターのノルマと実績作りの犠牲になって、利用されるだけの無知な患者は哀れである。不要な処方で新たな病気になって、悲しい結末を迎えることもある。
もはや職員でもない産婦人科の元看護師長が治療方針に強引に介入し、主治医自身がリスクを危惧していた腹水抜きを決断させてしまった。
主治医が2015年4月22日のカルテに、
『穿刺は肝臓・小腸近く、現時点での量ではリスクの方が恐
い』
と書いているように、腹水量からしてもリスクが高い処置であることは明白であったのだから、絶対に腹水穿刺すべきでなかった。未熟で知識、経験不足の主治医による重大な判断ミスである。
主治医は、腹水量が少ない(最終的に1700ml)と分かっていながら、初日に1000ml抜いた後、『エコー装置で確認もせず』、翌日も1000ml抜くという『無謀で杜撰な目標』を立てて、研修医に実施させた。その結果、メインの腹水溜まりの腹水が全量流出して、内臓を損傷させたことで、母の体調が著しく悪化して亡くなった。
二日目の腹水穿刺では、腹水の残量が少ないことを予測できたのだから、超音波エコー装置で随時チェックして、腹水が抜け切って内臓を損傷しないように監視を怠るべきでなかったが、研修医はしなかった。主治医が研修医に監視を怠らないようにしっかりとした指導をしていなかった。
腹水抜きを実施したのが精神疾患を発症してうつ状態の研修医であったという、最悪の取り合わせになったことが、内臓損傷を誘発して母の死を早めることになった。
母の場合腹水量が少なかったので、リスクが高い腹水抜きは絶対にすべきでなかった。するなら要町病院のKM-CART法のように抜き取った腹水を濾過、濃縮して点滴で戻す方法をとるべきであった。もちろん内臓損傷には細心の注意を払って行う必要がある。
治療過程で重大な問題が起きると、病院は偽りの説明で隠蔽を図るので、素人が独力で真相にたどり着くのは容易なことではない。解剖は担当医がなんと言おうと、絶対に実施すべきである。必要なのは確実な証拠となる解剖所見である。
私自身に意欲、根気、時間、探求心があり、参照できる記録類も多数残されていたので、どうにか真相に迫ることができたが、長い長い道のりであった。
東京医療センターから紹介された訪問診療の中野なおクリニックは、『患者斡旋の依存関係』から、医療センターの治療内容にたとえ疑問を抱いても、『病院への忖度』もあってか有効な助言をしてくれなかった。
大病院だからと言って、決して安心できるものではない。大病院には医師、研修医も数多く、個々に見ればそれこそピンキリで、キリに当たることも当然念頭に置く必要がある。
大病院は多くの研修医の実地訓練の場にもなっているので、熟練医師によるしっかりした指導、監督がないと思わぬ結果を招くことがある。ただ、指導、監督がしっかりしているかどうかを外部の人間が判断するには無理がある。
東京医療センターのように管理体制がしっかりしていないと、元看護師長のような部外者によって治療方針が歪められたり、医師、研修医の精神疾患等の健康管理がおろそかになって、想定外の問題を生じることがある。
精神疾患を発症してうつ状態にあった研修医に、リスクを伴う医療措置をまかせた東京医療センターの管理体制には重大な問題があった。
研修医等の職員の健康管理もまともにできないような病院が、患者の健康管理に万全を期すことなどできるのか。
最後に呼吸器科と放射線科では、しっかりとした説明に基づき診察、治療を受けることができたことに深甚なる謝意を表します。
かなり長くなりましたが拙文を読んでいただいた方に、多少なりとも参考になる情報を提供できたのであれば幸いに存じます。
『病院の闇』(1)~(5)では、母の病気の経過を時系列で説明しているので、そちらも併せてご一読ください。
『病院の闇』では、メインの腹水溜まりの腹水の全量抜きに伴う体調悪化に重点を置いているが、本稿『東京医療センターの重大医療事故』では、メインの腹水溜まりの腹水の全量流出の結果、内臓を損傷したことが致命傷になったと言う点に重点を移して記述した。
『病院の闇』、『弁護士に医療事故調査依頼』、『警察に医療事故被害相談』と書き進むうちに、医療事故の核心がどこにあるかという点について理解、洞察が深まり、本稿『東京医療センターの重大医療事故』で最終的に内臓損傷が致命傷になったと確信するに至った。
東京医療センターの重大医療事故(10)につづく