東京医療センターの重大医療事故(3)からつづく
■■■東京医療センター産婦人科 主治医■■■
≪≪≪腹水抜きを検討≫≫≫
2015年4月22日主治医は、母が腹部が辛いというので、心房細動治療薬を処方した循環器科医師の承諾を得ないで、メインテート(降圧薬)、シベノール(抗不整脈薬)、エリキュース(抗凝固薬)すべての服用中止を指示。
【2015年4月22日 母の日記】
朝外廻りの掃除をする。訪問医が心電図とり。
午後『元看護師長父上(運転)の車で、母上も乗り、主治医
先生の診察』に入り、心臓の薬三種(メインテート、
シベノール、エリキュース)中止にする。
[2015-04-22 母の日記]
【2015年4月22日 16:04 主治医カルテ】
「お腹苦しい
両足も浮腫んだ
右を下にすると痛い
体重うなぎ登りで増えている、現在47kg」
「腹水++」
「浮腫著明
腫瘤の顕著な増大はないが腹水貯留あり
下腹部は腫瘤のためスペースなく上腹部メインにある
『穿刺は肝臓・小腸近く、現時点での量ではリスクの方が恐
い』」
「腹水貯留傾向あり
穿刺よりはまずは利尿薬内服で排出期待」
「来週火曜(4/28)眼科後に受診を
場合によっては入院管理も検討」
「徐々に増悪してきている旨説明した」
[2015-04-22 主治医カルテ]
腫瘤の顕著な増大はない、と主治医のカルテに書かれている。つまり2015年5月18日の退院サマリーに書いてあるような、卵巣癌末期ではないということ。
主治医が、循環器科医師が処方したメインテート(降圧薬)、シベノール(抗不整脈薬)、エリキュース(抗凝固薬)の心房細動治療薬3薬の服用中止を指示したのに、なぜかカルテにはその記述がない。
他人である元看護師長が診察に同席していたのに、記載がない。黒幕の元看護師長が主治医に記載しないよう頼んだのであろう。
診察でもカルテ上も、腹水抜きの話はこの日が初めて。元看護師長は腹水抜きの直談判で付き添った。
主治医は『穿刺は肝臓・小腸近く、現時点の量ではリスクの方が恐い』と、腹水を抜くには量が少ないと危惧している。
≪≪≪腹水抜き一時保留≫≫≫
2015年4月22日午后、元看護師長と病院から帰宅した母が、これから一週間様子をみて来週、主治医が今後の方針を決めてくださることになったと話した。
ただ具体的な説明をしなかったので、まさか腹水抜きをするかどうかの方針決定とは思いもしなかった。
この時の母は明るい展望を持ち、来週の主治医の方針決定を期待して待っているといった感じだった。不安や心配を窺わせるような兆候もまったくなかったので、主治医との話し合いの内容について詳しく聞こうと思わなかった。
【2015年4月24日 9:50 呼吸器医師カルテ】
「BP109/67 P108 Spo2 96% KT36.6度
BW42→45.9kg→44.7kg(1/9)→47kg(4/24)」
「具合が悪い。内出血や血痰が出る
心臓の薬が影響?脈が40くらい
循環器の薬は全部やめることにした。腹水があるので、
いずれ穿刺の予定?。」
[2015-04-24 呼吸器科医師カルテ]
2015年4月24日、呼吸器科医師の指示で、血液検査を受けた。
内出血や血痰が出るということは、明らかにエリキュース(抗抗凝固薬)の悪影響であろう。必要でもなく体調悪化をもたらすだけの薬を循環器科医師が処方した結果である。とんでもなくバカで間抜けな医者にかかったものだ。
【2015年4月25日 母の病気メモ】
日毎にお腹が膨らんでいく。
[2015-04-25 母の病気メモ]
≫≫≫腹水抜きの注意点≪≪≪
自ら開発した『KM-CARTを使った腹水治療で5年足らずで4000例(2016年8月まで)』におよぶ実績があり、この分野の第一人者と目されている都内豊島区の要町病院腹水治療センター長の松崎圭祐医師による解説記事類から引用。
『腹水を抜いてただ廃棄』するだけでは、『体力維持に必須のアルブミン(栄養分)』や『グロブリン(免疫関連物質)』等のタンパク質も腹水と一緒に抜き取られてしまうため、『急速に患者の体力が低下』して『全身状態が悪化』し、さらに腹水が溜まりやすくなるという悪循環を招き、『死期を早めるだけ』なので、腹水を抜いてただ捨ててはいけないというのが現代医療の常識である。
がん性腹水の中には、『がん細胞や炎症成分』と同時に、『血管内の水分バランスを保つアルブミン』や『免疫で重要な役割を担うグロブリン』などが大量に含まれているため、腹水を抜くと『栄養状態だけでなく免疫機能が急激に低下』し、特に『終末期では死を早める』ことさえあります。
『ドレナージを繰り返す』ことで血漿蛋白濃度が低下して『急速に体力が低下』し『全身状態が悪化』し、さらに『腹水が溜まりやすくなる』という悪循環を招く。
腹水が『1~2リットルと少ない状態での腹水穿刺は危険』で、『腹部膨満感の緩和効果も乏しい』ため、ほとんどの医師は実施をためらう。
こうしたことから、『がん性腹水を抜くと体が弱って死期を早める』といわれ、腹水の治療は敬遠されるようになりました。
松崎佳祐医師が考案した『KM-CART法』を用いて、抜き取った『腹水を濾過、濃縮後に点滴で体内に戻せば』、『全量を抜き取っても患者の体力は低下せず』、『死期を早めることもない』。
≪≪≪主治医、腹水抜きを決める≫≫≫
【2015年4月27日 母のメール】
この関取みたいに大きく膨らんだお腹、『(腹)水が溜まっ
てきてる』とか。先週(4/22)、『これから一週間利尿剤を
使って引かぬようなら、入院して(腹)水を抜く』と言う治
療に入るかも・・・と。
明日、先生のご判断で決まると思います。・・・。何しろ
この苦しさ、辛さ、我慢の限界!
『どうでもいいから楽にして』
と云うのが本音の毎日なのです。
【2015年4月28日 母の日記】
『予約の主治医先生、元看護師長さんが付いて行って下さ
る。』
5月7日に水抜きの為に入院と決まる。
[2015-04-28 母の日記]
母は『腹水をただの水』と認識していた。水だったらさっさと抜いてしまえば楽になるだろうと考え、楽観的に構えていたようだ。
腹水はただの水ではなく、体力維持に必須のアルブミン(栄養分)やグロブリン(免疫関連物質)が含まれていて、捨て去れば体力が低下して全身状態が悪化し、死期を早めることになるというリスク事項を、主治医も元看護師長もまったく説明していないから、母は楽観していられたのだろう。
『何しろこの苦しさ、辛さ、我慢の限界』とあるのは、循環器科医師が処方した心房細動治療3薬の副作用と考えられる。
【2015年4月28日 16:54 主治医カルテ】
「やっぱり苦しい
体重48kg」
「腹水++」
「腹水穿刺へ、個室希望あり
GW明けに9A入院で」
【検体検査結果】採取日時:2015-04-24
【免疫血清検査Ⅰ,Ⅱ、核医学検査】
WBC H 9700
HGB 11.9
PLT 33.9
GOT(AST) 28
GPT(ALT) 14
TP L 5.9
ALB L 3.3
BUN 16.3
Creatinlne 0.57
CRP H 1.7
BNP院内 H 155.0
CA125 H 1762.0
CA19-9 H 344.3
CEA H 6.9
【他病院紹介】 他病院への紹介
産婦人 → 訪問医療クリニック[紹介]
紹介年月日:2015-04-28
[2015-04-28 主治医カルテ]
ひとたび廃棄するだけの腹水穿刺を始めると、以後腹水穿刺を繰り返す悪循環に陥り、次第に体力が低下して衰弱が進んで死に至る可能性が高い。
腹水量(1700ml)が少なく、腹水を抜いても腹部膨満感緩和の効果は期待できず、リスクを考えたら実施すべきでないのに、主治医はなぜ急いで腹水穿刺実施を決めたのか。
心房細動治療薬3薬の服用を止めたのだから、待っていれば腹部膨満感も軽減していくと予想されたのだから、腹水穿刺を急ぐべきでなかった。主治医の取り返しのつかない重大な判断ミスである。
元看護師長がわきからなんと口出ししようと、医師でも現役の看護師でもないのだから、そんな言葉に左右されることなどないはずである。
黒幕の元看護師長は、4月28日の診察にも同席していたが、
4月22日の診察同様カルテには記載がない。
≪≪≪血液検査結果問題なし≫≫≫
2015年4月28日、母は主治医から
『4/24採血の血液検査は、腫瘍マーカー類は横ばいないしは
下がっており、血液検査の結果も申し分ない。』
との説明を受けた。
つまり”卵巣癌の疑い”については少なくとも悪化はしていないという診断。それなのに2015年5月8日に腹水穿刺した後の5月18日の退院サマリーでは、一気に『卵巣癌末期』に飛んでいる。不可解千万。つじつま合わせのため、無理やり『卵巣癌末期』にこじつけた『退院サマリーを偽造』したのだろう。
手術を受けていないので、卵巣癌とは診断されていないのに、なぜ『卵巣癌末期』となるのか。医師にとって禁じ手である『カルテの虚偽記載』である。
主治医から、お腹を楽にするため腹水を抜くことを勧められ、連休明けの5月7日に入院して腹水を抜くことに決まった。
[2015-04-28 血液検査結果]
[2015-04-28 腫瘍サイズと腹水量]
[2015-04-28 腫瘍マーカー図]
[2015-04-28 腫瘍マーカー値]
2014年4月15日から5月17日まで、都内クリニックでマイクロ波による温熱療法を計7回受けたことで、腫瘍マーカーが急上昇した。
2014年8月12日から9月9日まで、医療センターで放射線照射を計5回受けたことで、2014年8、9月以降、腫瘍マーカーが急降下した。
≪≪≪腹水抜き実施≫≫≫
【2015年4月28日 診療情報提供書 主治医→訪問医】
「腫瘍増大・腹水貯留による腹満感の増悪があり、
ゴールデンウィーク明けの5/7に婦人科入院のうえ、腹水
穿刺の予定とさせていただきました。」
「『今後は腹水穿刺を繰り返す』ことと、利尿剤内服にて腹
水のコントロールを図っていこうと考えております。」
[2015-04-28 診療情報提供書]
2015年4月22日のカルテで『穿刺は肝臓・小腸近く、現時点の量ではリスクの方が恐い』と、腹水量が少なくリスクを懸念していながら、腹水穿刺を決めた4月28日には腹水穿刺を始める前から『今後は腹水穿刺を繰り返す』と訪問医に情報提供している。
廃棄するだけの腹水穿刺を繰り返せば、『体力維持に必須のアルブミン(栄養分)』や『グロブリン(免疫関連物質)』等のタンパク質も腹水と一緒に抜き取られてしまうため、急速に体力が低下して、全身状態が悪化し、さらに腹水が溜まりやすくなって、死期を早めるだけである。
まともな医師であれば、このような無謀で杜撰な計画を立てることなど考えられない。腹水穿刺を決めた辻浩介主治医の考えが理解できない。バカなのだろうか。
主治医は腹水穿刺は繰り返せば体力を消耗し、衰弱を進めて死期を早めてしまうことを、まったく理解していないのではないか。理解していれば、少ない腹水を抜く前から、『今後は腹水穿刺を繰り返す』などとバカなことは言わないはず。
一旦腹水抜きを行うと、腹水穿刺を繰り返すことになり、急速に体力が落ちて遠からず死に至るということを、主治医は母にも私にもまったく説明していない。主治医自身が腹水穿刺後の体調悪化について知らないから、説明していないのか。
主治医は、腹水は溜まったら抜けば良いと安易に考え、腹水穿刺の処置テクニックは心得ていても、腹水穿刺後に患者の容体がどうなるかについて、まったく理解していないようだ。
であれば主治医は医師として腹水穿刺をする資格などまったくないということである。このような人物が医師面下げて診療に当たるなど、言語道断ではないか。実に恐ろしいことだ。主治医は医師としての適格性が欠けている。
腹水穿刺を繰り返すことで、体力が弱って緩やかに死に至ると知らされていたら、母は絶対に腹水穿刺などしなかった。母に限らず、どんな患者でも緩やかに死に至る処置だと知ったら、例外なくそんな処置は絶対に拒否する。
これほど重大な情報を患者、家族に説明もしないで、腹水抜きをするとは、『説明責任と告知義務をないがしろ』にした、極めて無責任で不適切な処置で、『医師としての職業倫理に反する重大な背信行為』である。
主治医は日大卒業後、慶応病院での研修を終えて、やっと2年経過したばかりで、医学的な知識や経験が不足した未熟な医師である。こんな未熟な医師に命をあずけることになるとは、なんという不運、不幸の極みであろうか。
訪問医も主治医から腹水穿刺前に『今後は腹水穿刺を繰り返す』との予告を受けていながら、以後母が亡くなるまで事の重大さについて十分な注意喚起、説明、指導もせず、ただ流れに任せていただけである。
訪問医に対して腹水穿刺を止めさせるべきだった、とまでは言えないし、現実問題として無理だったと思うが、せめて専門的知見にもとづいた説明をしてほしかった。
主治医ではない訪問医ではあっても、訪問医にも自ら知り得た治療内容については、医師としての説明責任、告知義務はあるはず。
2015年4月28日、病院から帰ってきた母は意気揚揚としていて、これでやっと楽になれる思っていたようで、放射線治療や白内障手術の時とは違って、『一抹の不安も感じていない様子』だった。
私のまったくあずかり知らぬところで、心房細動治療薬の服用中止に並行して、腹水を抜く話が進められていたようだ。私が知ったのは4月28日午后で、5月の連休明けの7日、8日に腹水抜きをする手続きを済ませて帰宅した後のことである。
話を聞かされ、とっさになんとかして止められないかと考えたが、母には不安な様子がまったく見られず、むしろ腹水抜きに希望を託しているようだったので、説得をあきらめた。
母の表情から判断するに、主治医も元看護師長も腹水抜きのリスクを母にまったく説明しないで、腹水を抜けば楽になるとだけ話して腹水抜きを決めたようだ。主治医と元看護師長による『未必の故意』による腹水穿刺処置であった。
腹水抜きを繰り返せば、しだいに体力を消耗して、やがて死に至るリスクが極めて高いことを主治医が理解していなかったとしたら、医師として知らなかったでは済まされないことである。あまりに未熟、お粗末で、医療過誤どころか医療犯罪にも相当する行為であろう。
腹水はただの水ではなく、健康維持に必須の貴重な体内液であることを母は理解していなかった。主治医がリスク説明をしっかりしていれば、母は少なくとも楽観的な表情はみせず、不安げな表情になっただろうし、腹水抜きを思いとどまったはずだ。
母が絶大な信頼を置いていた主治医と元看護師長は、母の期待を無残にも裏切った。
≪≪≪心房細動治療薬中止で体調上向く≫≫≫
【2015年5月1日 母のメール】
(4月)28日に私が病院へ行ったところ、
『お腹にたまって苦しい(腹)水を抜く為に入院せよ。3日か
らから7日間ぐらいの予定』
と言われ、仕方なくなく、7日に入院することになりまし
た。
2015年5月1日、循環器科の服薬を中止したことで、食欲が元に戻る。
2015年5月4日頃には以前にくらべ体もだいぶ楽になり、家事も問題なくこなしていた。
【2015年5月4日 母の日記】
梅のちぢれ葉を切ったり、庭を手入れ。お腹は苦しいが・・・。
■■■医療センター産婦人科元看護師長■■■
東京医療センター(旧国立東京第二病院)産婦人科看護師長
国立国際医療(研究)センター(旧国立東京第一病院)看護部長
医療センター退職後に母の卵巣癌の相談にのった
ここで一旦、元看護師長に話を移す。
初めて腹水抜きの話が出た2015年4月22日に続き、腹水抜きを決めた4月28日も、向かいに住む元看護師長が診察に同席していたのに、なぜか主治医はカルテに記載していない。
腹水抜き実施を決めるにあたり、主治医からは家族になんの説明もなく、同意書も求められなかった。説明を受けていれば、私が待ったをかけた。医療センターの治療規則に違反した違法なやり方であろう。主治医は順法意識が欠如した身勝手な医師である。
主治医は当初(4月22日)、『腹水抜きには消極的、否定的』で、『穿刺は肝臓・小腸近く、現時点での(腹水の)量では、リスクの方が恐い』とカルテに書いている。しかし次週(4月28日)の診察では元看護師長に押し切られて、腹水抜きの実施を決めた。
腹水量がさほど多くもない(1700ml)のに、主治医はなぜ無理して腹水抜きを決めたのか。腹水抜きをするレベルの量ではなかったはず。
母は2015年4月に入った頃から向かいの元看護師長宅を頻繁に訪れて、お腹の苦しさについて相談していたが、元看護師長はリスク、デメリットの説明もしないで、腹水を抜けば楽になると軽い気持ちで勧めたのか。
主治医が腹水抜きを決める前に母は元看護師長から、腹水抜きの効用について既に聞かされていたようで、安全でなんの心配もなく楽になる方法だと思い込まされていたようだ。
私は腹水抜きについて、まったくのつんぼ桟敷に置かれていた。4月28日に医療センターから帰宅した母が、入院して腹水を抜くことに決めてきたといきなり言うので、びっくり仰天してしまった。
元看護師長は、4月22日は腹水抜きの直談判が目的で母に同行したが、もともとは4月22日だけの予定であった。
ところが主治医が一週間様子をみると言い出したので、急遽次回4月28日も同行しますと言ってきた。なんとしても腹水抜き実施を主治医に迫るつもりだったようだ。
元看護師長は、東京医療センター産婦人科看護師長のあと、国立国際医療(研究)センターに移り看護部長まで務めた経歴の持ち主である。
看護師トップの看護部長は、医学の素人とは違い看護知識、経験ともに豊富で、当然腹水抜きのリスクについても知り抜いていたはずである。『未必の故意』があったと考えてなんら不自然でない。
元看護師長は既に医療センターを退職していたが、医療センター産婦人科元看護師長としての経歴、立場を利用して、主治医の治療方針を自身が思い描く方向に誘導している。
母は家が向かいにあることもあって、元看護師長の家族とは、元看護師長の養父、養父の養母以来の長い付き合いで、元看護師長の子供2人には長い間ピアノを教えており、実に4世代にわたる因縁浅からぬ関係であった。
4月22日の主治医の診断で、『穿刺は肝臓・小腸近く、現時点での量ではリスクの方が恐い』と言っていたのだから、本来であれば元看護師長は医療の専門家の立場から、腹水抜きを止めるよう説得すべきであったにもかかわらず逆に推し進めた。
母はこと医療に関することでは、元看護師長に全幅の信頼を置いていたので、元看護師長が腹水を抜けば楽になり、リスクもないと言えば、その言葉を疑うことはなかったはずである。
元看護師長は、腹水穿刺を決めた4月22、28日と腹水穿刺で入院した5月7日の連続計3回だけ母に同行したが、それ以前、以後はいつも私が付き添っており、元看護師長は一切同行していない。元看護師長の同行の目的はひとえに母に腹水穿刺をさせることだけであった。
元看護師長にはなにか『よこしまな意図』があって、リスクが高く危険な処置である腹水抜きを推し進めたかったのではないか。
既に退職して部外者である元看護師長が、主治医の治療方針に介入して、腹水穿刺に誘導することを許したのは、東京医療センターの管理体制そのものの問題でもある。
母の死の一年後の2016年5月になって、母の日記を読み返すなかで、元看護師長が腹水抜きに主導的、積極的に関わっていたことを知り、裏切られたとの思いを強くした。
≪≪≪元看護師長のとんだガセネタ≫≫≫
元看護師長は、
『うちの先生方はみな慶応(病院)から来ているんですよ。』
と東京医療センターの現役の看護師の頃に母に話していた。
この話を聞いた母は東京医療センターの医師は、みな慶応大学医学部を卒業した優秀な医師であると思い込んでいた。
東京医療センターで診察待ちをしている時、
『私は今、最高の医療を受けていると思うの。』
『ここでダメだったら、もう諦めるしかないわね。』
と私に話したことがある。
それもあって、眼科研修医、循環器科医師、産婦人科主治医(、研修医)はみな慶応大学医学部卒業の優秀な医師であると思い、この医師たちの指示に従っていれば安心と考え、疑いを持つことなく素直に従った。
ところが、これら医師はみな慶応大学医学部卒業ではないことを母の死後、ネット検索で知ることになった。
元看護師長から母は、とんだガセネタを掴まされていたということである。
東京医療センターの重大医療事故(5)につづく