弁護士に医療事故調査依頼(2)からつづく
≪≪≪医療事故調査報告書(2)を読み終えて≫≫≫
2017年6月29日、年配の男性弁護士の事務所で、専門医師から聴取してまとめたという医療事故調査報告書(2)の説明を受けた。内容は既に説明したように、とても医療事故調査報告書と言える代物ではなく、『カルテを見ての、つたない読後感想文』の類であった。
『事実関係もいい加減で、根拠、出典も明示しないで、医療処置に何ら問題を見い出せなかったと勝手に断言』している。こうした姿勢は、事故調査報告書を書くうえでの基本を無視したもので、なんの説得力もなく、ただ漫然と自己中な感想を綴っているに過ぎない。
《弁護士の頭の中にはマンガ世界が広がっているのか、勝手な創作、強引なこじつけと、何でもありのやりたい放題だ。これで医療事故調査報告書といえるのか。》
年配の男性弁護士は、『医療事故研究会』発足当初からのいわば設立メンバーで、研究会の事務局長を2009年から2014年まで5年間務めていたと本人のホームページに書いている。
こうした経歴を持ちながら、この程度の事故調査報告書しか書けないとは、これまで本当に医療事故調査を専門とする弁護士として、誠実で、責任ある仕事をしてきたのかとの疑いを禁じ得ない。
『医療事故研究会』が選任し、紹介された二人の弁護士の報告書の内容があまりにお粗末で落胆したが、この研究会のメンバーというのは、一体どういう基準で選ばれているのだろうか。
『弁護士本人が入会を希望して、会費さえ納めれば、特別な審査もなく誰でも入会できて自由に活動できるのだろうか』。この研究会の運営のしかたについては、疑問がつのるばかりだ。
報告書の説明を一通り聞き終わったところで、
『こんなのは医師の見立てとは言えない。』
『これはあんたたち二人で作った、ただの作文だろ。』
『これじゃ詐欺じゃないか。』
『警察に被害届を出す。』
と事務所中に響き渡るように大声を張り上げた。
年配の男性弁護士はなにやら、ぶつくさと話していたが、納得の行く説明ではなかった。
聴取した医師について聞いたが、相手の医師に迷惑がかかるので、具体的なことは話せないと拒絶された。一人は山梨県甲府市の医師で70歳代、もう一人は千葉県の医師で60歳代という程度のことしか分からなかった。
もっともどうせ架空の医師だろうから、これ以上聞いたところで無駄なことであるが。
二人の医師に先にカルテを送って、聴取した内容を書き留めてまとめるだけに、なぜ『半年もの時間を要する』のか。単に『やってる感』を出すための『引き延ばし作戦』だったのだろう。
今回の報告書は、前回の報告書と同趣旨の内容で、弁護士と医師の言い分が符合し過ぎている。両方とも同一人物の作文だろうと弁護士に言っても、なにやら言い訳めいたことを言うだけで、埒があかなかった。
話し合いはまだ続いていたのに、年配の男性弁護士が断りもなく立ち上がって、さっさと退出してしまった。この間、若手の女性弁護士はほとんど一言も話さないで、聞いていただけだった。
こんないい加減な弁護士とこれ以上話していても、得るものはないと思い、私も諦めて帰ることにした。エレベータ前には、二人の弁護士が並んで立っていた。二人を睨みながら無言でエレベータが閉まるのを待った。
そもそも『医療事故研究会』に相談したのが大失敗であった。これほどレベルの低い弁護士に、1年3ヶ月もの時間を空費させられ、それなりの調査費を支払った挙句に、何の役にも立たない紙切れ同然の報告書をつかまされた。これぞまさしく『詐欺』である。
『医療事故研究会』に頼んでも、どんな弁護士が選任されるか分からず、実力のほどもやってみなければ判断できないというのでは、相談者にとってリスクが大きすぎる。この研究会の利用はよくよく考えてからにすべきであるというのが、私の率直な思いである。
≪≪≪年配の男性弁護士の法律事務所≫≫≫
弁護士との打ち合わせは、すべて年配の男性弁護士(当時、60歳代後半)の事務所で行った。
2016年3月4日、母の治療経過をまとめた資料を基に、医療事故について弁護士に説明。
2016年12月22日、弁護士から医療事故調査報告書の説明を受けた。これは弁護士二人が調査して書いたものであった。
契約前の段階から私が強く求めていた、医師の意見書が付けられていなかったので、医師の意見書を付けて再度報告書を出すよう依頼した。
2017年5月31日、医師への謝礼と交通費を別途請求されたので、振り込んだ。
2017年6月29日、弁護士が専門医に聴取してまとめたと称する医療事故調査報告書の説明を受けた。
男性の法律事務所を都合3階訪れたが、最初の2回は問題なく入れたのに、3回目に午後3時と指定されて訪れた時は、エレベータで事務所のある4階のボタンを押しても、ランプが点かなかった。4階ボタンの横には赤いランプが点灯していたが、何のことか分からなかった。
4階のボタンを何度押してもランプが点かないので、やむを得ず5階のボタンを押して5階へ上がってみた。
エレベータを降りると衝立があり、中の事務室を窺うと男性がいたので、4階のボタンの横に赤いランプが点灯していて押せないので、ここから階段で下に降りたいと言ったら、非常階段は鍵がかかっていて、外からは入れないですよと言われた。
さらに、階数表示ボタンの横に赤いランプが点灯しているということは、4階オフィスがお休みで誰もいないということですよと言われた。6月29日は木曜日で休日ではないし、午後3時の面会の約束をしているのだから変だと思いながら1階に戻った。
1階は宮内庁ご用達の高級陶磁器店で、この店の屋号がビル名になっていたので、この店がビルのオーナーだろうと思い、店に入ると老主人が玄関付近に立っていた。
事情を話して法律事務所の電話番号を尋ねると、老主人はまたあの法律事務所か、という思いが見て取れるような表情を浮かべ、ご家族らしい人に調べてあげなさいと指示。電話番号を記した紙片をいただき、道路に出て事務所に電話。
事務の女性が出て、エレベータのドアロックを解除してくれた。事情が分からなかったので、3時の約束に遅れて申し訳ないと一応あやまった。
年配の男性弁護士は『変な人』がやってくるので、エレベータの4階ドアをロックしていると説明したが、『変な人』というのは、この事務所に調査を依頼した人が、調査内容に不服でクレームを付けに何度もやって来るのだなと、後になって理解した。
私の経験からしてもこの法律事務所の調査内容に、クレームを付けたくなる気持ちは十分理解できる。
エレベータをロックしているのなら、前もってその旨を伝えてくれれば、名刺を持って行って、事務所に入る前に電話をしたのに、なんと不親切な対応であろうか。
3時という時間は先方が指定してきたものだから、3時前にロックを解除しておいてもよさそうなのに、解除しないというのは、『変な人』というのが、よほど強烈なクレームを付けて頻繁にやって来るのだろう。
年配の男性の法律事務所は、2012年に3人の弁護士の共同事務所として開設された。3人とも偏差値の高い国立大学の同窓で、同窓ということで意気投合して共同で法律事務所を開設したと、以前のホームページに書いてあった。
だけど『変な人』対策で、常時エレベータがロックされていては、顧客に迷惑をかけるし、不審にも思われる。私自身がクレームを付けたことも分かっている。
他の二人の弁護士にとって、このままこの法律事務所にいては、自分たちの名前、信用にまでキズがついてしまうと考えたのか、その後一人抜け、また一人抜けて結局、年配の男性弁護士一人になってしまったようだ。
去っていった二人の弁護士にとって、長年使ってきた法律事務所名を使えなくなり、当然不利に働くはずなので、苦渋の決断であったに違いない。
事務所経費の件もあってか、法律事務所の場所を移転することにしたようだ。ただ法律事務所の名称に都心の地名を使用している関係で、そう遠くには引っ越せず、ごく近くに移転したようだ。
移転後のホームページを覗いてみたら、まったくの新人弁護士の名前がパートナーとして記載されていた。ごく最近になって、再度ホームページを覗いてみると、先の新人の名前は無くなっていて、新たに少し経験を積んだパートナー弁護士の名前が記載されていた。
所属弁護士が頻繁に変わる法律事務所のようだ。
若手の女性弁護士(当時20歳代後半)は、別の法律事務所のパートナーであるが、ホームページを見ると、
『現在、在外研究中につき、弁護士登録を一時抹消中です。』
と書かれている。今現在は、弁護士ではないらしい。
弁護士に医療事故調査依頼(1)~(3) 完
詳しくはオンラインストレージDropboxの「闘病記」フォルダ内pdfファイルを御覧ください。
https://www.dropbox.com/sh/1kr7ag1629iw1m7/AADiUCYwN7we9fmo3vYoXS-Ka?dl=0
≪≪≪医療事故研究会パンフレット≫≫≫