tsubuyaki622の日記

母の闘病記

弁護士に医療事故調査依頼(1)

 

        ーーー病院の闇(1)~(5)を受けてーーー

 

   弁護士に医療事故調査依頼(1)~(3) 始

 


       ≪≪≪腹水の全量抜きで衰弱死≫≫≫



2015年6月22日朝、母は苦しみから解放されるように、麻薬で眠ったまま自宅で静かに息を引き取った。通院していた病院の診断では卵巣がんとされていたが、『病院の闇(3)』で説明したとおり、実際は腹水の全量抜きによる衰弱死であったことは、カルテその他の分析から明らかである。


2015年9月28日、病気の経過をまとめた資料を持って病院を訪ね、医療事故として調査してもらいたいと申し出た。その場で企画課の担当者は、医療事故調査委員会を立ち上げて調査すると言った。


2015年12月16日、病院の担当者にやっと連絡がついて調査の経過を聞いたところ、主治医が処置内容に問題はなかったと言ったので、そのまま放置していたとの返事。


担当者の信じられないような無責任な返事に、一体どういうことなのかの問い詰めたが、一方的に電話を切ってしまい、メールで問い合わせても、なしのつぶてで、だんまりを決め込んでしまった。


こうしたデタラメな対応は、担当者個人のモラルの低さもさることながら、母が亡くなった20日に、腹水抜きの処置をした研修医が精神疾患で自殺していたこともあって、産婦人科医局そのものが、頬かむりしてやり過ごそうと決め込んでいたと考えられる。


2016年1月7日病院地区を管轄する都内目黒区碑文谷警察署を訪れ、医療事故の経過説明をして告訴状を渡そうとしたが、受理されなかった解剖してないので証拠不十分ということであった。


ただし病院の医師との面談の斡旋はできるから、希望であれば病院に話をするということだったのでお願いした。


2016年1月21日夕刻、病院にて産婦人科の医長、主治医と面談して、治療内容について問いただしたが、処置に問題はなかったの一点張りで、平行線のまま終了


翌日、碑文谷警察署に電話して、話し合いは平行線のまま終わったと報告。警察署の事務手続き上の必要から、最終的にどう決着したか連絡してほしいと言われたので、とりあえず弁護士に調査依頼する方向で考えていると返事。


2016年1月26日、面談の場で医長から入手を勧められた、カルテを病院に開示請求。


2016年2月9日病院でカルテ受け取り



       ≪≪≪弁護士に医療事故調査依頼≫≫≫



2016年2月8日区役所の無料法律相談を利用して医療事故について相談。受付で相談内容を書いて出したところ、アルバイトであろう受付係からこんなものもあるので、どうぞと1枚のパンフレットを渡された。


パンフレットは『医療事故研究会』について説明したもので、アルバイトの受付係が区役所とは関係なく、独断で医療事故相談者に渡していたようだ。


当日の無料法律相談の当番弁護士に、病院に提出したものと同じ内容の資料を渡して、対応を相談したところ、法テラスに相談してみてはどうかと言われた。


この際、受付で渡されたと言って『医療事故研究会』のパンフレットを見せたところ、こんな研究会なんて知らないなあと言われた。


どなたかお知り合いに、この研究会について聞いていただけませんかとお願いし、知人と思しき人にケータイで研究会について聞いてもらった。弁護士からは、研究会はちゃんとした活動をしてるようだから、一度相談してみたらと言われた。


2016年2月23日『医療事故研究会』の当番弁護士に電話連絡。調査カードを送るので、記入して返送してくださいとのこと。


2016年2月24日、調査カードに記入して返送。


2016年2月26日『医療事故研究会』が選任した若手(弁護士歴2年)の女性弁護士から電話を受ける


2016年3月4日『医療事故研究会』が選任したもう一人の年配の男性弁護士の事務所を訪れ、診療経過を説明。この年配弁護士と、別の法律事務所に所属する上記女性弁護士の2名による対応であった。


この場で『医療事故研究会』のパンフレットを見せたところ、年配の弁護士から『まだこんなものあったんですか』と言われ驚いた。


一通り、診療経過を説明し終わったところで、年配の弁護士がこういうのは難しいんだよなと言った。私としても簡単な問題でないことは百も承知で、この言葉をさほど気に留めなかった。


男性弁護士は、調査依頼を受けてから報告書を作成するのに半年くらいかかると言った。長すぎるとは思ったが、単純な事案ではないので致し方ないかと思った。私からは医療事故調査をする際には、専門医師の所見を付けてほしいと念を押した


2016年3月9日、医療事故調査を依頼する旨、女性弁護士に連絡。

2016年3月19日、契約書類と調査費用の請求書を受領。

2016年3月21日、医療事故調査契約書に署名、捺印して女性弁護士に返送。


翌日、契約金を振り込もうと銀行に行って手続きをしたが、該当する契約口座が存在しないとATMに表示された。打ち間違いかと思い複数回繰り返したが、受け付けられなかった。


しかたなく一旦自宅に戻り、女性弁護士に電話して確認したところ、間違った支店名を請求書に書いてしまったとのこと。正しい支店名で振込完了。


いかに新米の弁護士とはいえ、自分の銀行口座の支店名も正しく書けないとはお粗末な話である。振り込みを初めて受けたということだろう。


同日、碑文谷警察署に電話して、法律事務所と医療事故調査契約を結んだと連絡。これで碑文谷警察署内の事務手続きはとりあえず完了。



          ≪≪≪医療事故研究会≫≫≫



医療事故研究会パンフレットの主な内容を原文のまま転載。


医療事故を得意とする弁護士の法律相談を受けて、医療ミスの可能性が考えられる場合には、訴訟などの法的手続を検討することもできます。』


医療ミス、医療事故被害にあった人々を救済するために、患者側の代理人をしている弁護士によって作られた団体。』


1988年11月に発足し、現在、東京近辺に開業し、医療過誤事件を扱っている弁護士約55名(2016年頃)が所属。』


『担当弁護士の専門性を高め、よりよい事件処理ができるよう、毎月1回「例会」や、年に1回の「合宿」を行い、担当事件の報告、判例研究、医学知識勉強会、医師や外部講師の講演などにより、継続的な研修をしています。』


こうした記述やホームページの説明から、医療事故研究会には各専門分野の医師がプールされていて、会に所属する弁護士は必要に応じて専門的な助言、協力を得られるものと考えたこれが間違いの元だった。


医療事故調査契約を結んだ年配の男性弁護士は、1988年の医療事故研究会発足当初からのいわば設立メンバーで、研究会の事務局長を2009年から2014年まで5年間務めていたので、医療事故分野について十分な経験を積んでいるものと考えた


『医療事故研究会』の当時のホームページには、『ベテラン』弁護士が『若手』弁護士を指導しながら、2名の弁護士で対応すると書かれていた。



         ≪≪≪医療事故調査報告書≫≫≫



2016年9月29日、契約から半年が経過してもなかなか連絡が来ないので、女性弁護士に電話したところ、あと1~2ヶ月必要で、12月には報告できるとの返事。


2016年12月22日に弁護士から説明を受けた医療事故調査報告書の重要部分を抜き出して以下に書き記す。本報告書は医学に素人の若手女性弁護士が、年配男性弁護士の指導を受けて、医学書と首っ引きで書いたもので、専門医師の所見ではない



           ≪≪≪腹水穿刺≫≫≫



3 腹水穿刺の適否

 (2)治療内容の適否

  ア 一般的な治療方法

『本件腹水は、癌性腹膜炎(*1)を原因としていたとみられる(細胞診により腹水中にがん細胞確認(*2)。)。』


癌性腹膜炎は、一般に癌が高度に進行した状態であり、予後不良であるため、緩和療法、対処療法が中心となる。症状の緩和を目的に、腹水穿刺や利尿薬の併用を適宜行う(*3)』


『*1 「腹腔内臓器に原発あるいは転移した癌が臓器の漿膜面に発育し、癌細胞が腹腔内に散布され、腹膜に生着して結節を形成し、その結果、腹水貯留…などの病態を引き起こした状態」(今日の診療指針2015年版)』


『*2 「腹水セルブロック…低分化の腺癌です。卵巣の漿液線腫瘍の可能性が示唆されるものの…」(カルテ19頁)』


『*3 今日の診療指針2015年版』


過度の腹水穿刺は、タンパク喪失等による全身状態の悪化を引き起こす可能性はあるため、その適応には慎重を要するとされている。(*4)』


『*4 「腹水には、高濃度のアルブミンを含んでいることから、過度腹水穿刺は血清アルブミンの喪失によって全身状態の悪化を引き起こす可能性があるため、その適応には慎重を要する。」(新臨床腫瘍学 (改定第4版 ))』


『また、腹水穿刺の態様については、大量排液が、血圧低下を起こす危険があることから、1回の排液量は、2000ml程度として、時間をかけてゆっくり抜くのがよいとされてる(500~1000m1/時)。(*1)』  


『*1 「1回の排液量は、2000ml程度として、時間をかけてゆっくり抜くのがよい(500~1000m1/時)。それ以上の大量排液は血圧低下を起こすことがあり危険である。」(看護のための最新医学講座24 腫瘍の臨床)』


  イ 本件における治療の適否


『医師は、利尿剤の効果が得られなかったこと、患者が、腹満感による苦痛を訴えていたことから、症状緩和のため、腹水穿刺の実施を選択したものと見られる。』


『それは、上記一般的な治療方法(腹水穿刺や利尿薬の併用)に反するものではなく、腹水穿刺の実施に明らかに不適切であるということは困難であると考える。』


『また、腹水穿刺の態様についても、明らかな不適切性は認められない。すなわち、腹水穿刺は、5月7日は、1時間かけて1200ml、8日は、50分で700mlの排出量及び速さで実行されている。』


『排液のペースが、上述の基準より速いが、大量排液時に懸念されるリスクである血圧の低下は確認されていないため、腹水穿刺の態様として、明らかに 不適切であったと主張することは困難であると考える。』


 (3) 補足

  イ 腹水の全部排出の適否


腹水の全部排出を禁止した文献は発見できなかった腹水が全部排出されたという事実をもって、不適切であった主張することは困難であると考える。』


以上が、腹水穿刺に関する報告書の抜粋である。



       ≪≪≪腹水穿刺_報告書の問題点≫≫≫



『本件腹水は、癌性腹膜炎を原因としていたとみられる(細胞診により腹水中にがん細胞確認。)。』


『〈癌性腹膜炎は、一般に癌が高度に進行した状態であり、予後不良であるため、緩和療法、対処療法が中心となる。症状の緩和を目的に、腹水穿刺や利尿薬の併用を適宜行う〉、書いているが、』


『病院の闇(1)』で、2015年3月25日の主治医のカルテには、〈癌性腹膜炎を疑う硬結はない〉、とはっきり書いてある。よって、癌が高度に進行した状態とはいえない。》


《〈癌性腹膜炎では、予後不良であるため、症状の緩和を目的に、腹水穿刺や利尿薬の併用を適宜行う〉と書いているが、そもそも癌性腹膜炎ではないので適合しない腹水穿刺が妥当であったという結論に誘導するための記述である。》


《〈過度の腹水穿刺は、タンパク喪失等による全身状態の悪化を引き起こす可能性がある〉と書いておきながら、弁護士の調査の不徹底、不十分さから、腹水の全部排出を禁止した文献を発見できなかったという理由で、》


腹水が全部排出されたという事実をもって、不適切であったと主張することは困難である〉と書いているのは、論理性に欠けた矛盾した説明である。》


『病院の闇(2)』2015年4月24日に紹介したように、腹水治療で5年足らずで4000例(2016年8月まで)の実績のある、都内豊島区の要町病院腹水治療センター長の松崎圭祐医師は、》


《腹水には『体力維持に必須のアルブミン(栄養分)』グロブリン(免疫関連物)』が豊富に含まれており、腹水を排出すると『栄養状態だけでなく免疫機能が急激に低下』するため、『全身状態が悪化』『死期を早めるだけ』と書いている。》


《報告書では腹水の全部排出が、がん患者にとっては極めて危険で避けるべき処置であるという重大な事実が見落とされている。事の本質をまったく理解していない、ずぶの素人の考えである。》


《そもそも全部排出などということは、まともな医師にとって論外の禁じ手であって、書くまでもないということであろう。医学知識に乏しい未熟な弁護士が知らないだけのこと。デタラメなことを書くなと言いたい。》


『病院の闇(3)』2015年5月8日に、主治医が〈腹水を全部取るのはまずいが、結局全部抜くことになってしまった〉と母にハッキリと話している。》


《さらに主治医は、腹水を全部抜いてしまったことで〈一番入ってほしくない路線に入ってしまった。これからどんどんいたちごっこなる〉と母に話している。主治医自身が不適切な処置であったと認めている。》


『〈患者が、腹満感による苦痛を訴えていたことから、症状緩和のため、腹水穿刺の実施を選択したものと見られる。腹水穿刺の実施に明らかに不適切であるということは困難である〉と報告書は書いているが、』


『病院の闇(2)』2015年4月24日に紹介した要町病院の松崎圭祐医師は、〈1~2リットルと少ない状態での腹水穿刺は危険で、腹部膨満感の緩和効果も乏しい〉と書いている。つまり、母の1700ml程度の腹水量での腹水穿刺は不適切で実施すべきでなかったということである。》


要町病院の松崎医師が考案した『KM-CART法』を用いて、抜き取った腹水を濾過、濃縮後に点滴で体内に戻せば』『全量を抜き取っても患者の体力は低下せず』『死期を早めることもない』という実績ある処置法を利用すれば、大量の腹水の穿刺が不適切とはいえない。》


《それでも〈1~2リットルと少ない状態での腹水穿刺は危険で、腹部膨満感の緩和効果も乏しい〉ので、やはり実施すべきではなかった。》


《〈腹水穿刺の廃液ペースが、概ね1時間1000ml程度であったから、腹水穿刺の態様として不適切ではない〉と書いているが、そんなことは本質的な問題ではない。》


〈腹水の全部排出が問題〉なのである。見当違いも甚だしい。適切な医療処置であったという方向に誘導する目的を持った、ためにする論法である。》



          ≪≪≪心房細動治療≫≫≫



4 心房細動治療の適否

 (2)白内障手術の前提としての心房細動治療の要否


『心房細動は、active cardiac condition(重症度の高い心臓状態)に該当しない(*3)ため、白内障手術の前提としての心房細動治療は不可欠ではなかったようにみえる。』


『*3 重症度の高い心臓の状態であるactive cardiac conditionとは、不安定狭心症や最近発症した急性心筋梗塞、急性心不全、高度房室 ブロックやコントロールできない心室頻脈などの重篤不整脈、高度の弁膜疾患の存在である。』


『これらのリスク因子があれば、術前に心血管系評価を行い、治療して安定させてから手術を実施為なくてはならない。active cardiac conditionがなく、低リスクの手術が予定されている場合には、それ以上の心血管系評価の必要はないとされる。(「非心臓手術に関するガイドライン」6,7頁)』


 (3)治療内容の適否


脳梗塞リスクのある患者では、抗凝固療法が必須である(*5)と考えられているところ、患者は、75歳以上かつ高血圧であり脳梗塞リスクは高く(*1)凝固療法が必須であった。』


『*5「発作性、持続性、症状の有無を問わず、脳梗塞リスクのある患者では、抗凝固療法は必須である。CHADSスコア2点以上の場合は、抗凝固療法の適応、1点の場合は勧めてもよい。」(最新循環器診療マニュアル300頁)。』


『*1 CHADASスコア(脳梗塞発症のリスクをスコア化したもの)に基づく。心不全1点、高血圧1点、年齢75歳以上1点、糖尿病1点等で計算される(最新循環器診療マニュアル300頁)。』


『本件では、メインテート(降圧薬:β遮断薬)、シベノール(抗不整脈:Naチャネル遮断薬)、エリキュース(抗血栓:合成Xa阻害薬)による投薬治療が実施されている。』


メインテートは、心拍数調整療法に、シベノールは、洞調律維持療法に、エリキュースは、抗凝固薬として抗凝固療法に用いられたものと思われる。』


『本件において、①洞調律維持療法と②心拍数調整療法が共に採用されたことに疑間があるものの、』


『「発作性心房細動に対し、抗不整脈薬を使用した場合、心房粗動に移行して、思わぬ頻脈症状が出現することがあることから、レートコントロール治療(心拍数調整療法)を併用する必要がある」との文献記載(*2)もあり、』


『本件一連の投薬が、心房細動の治療として不適切であったとはいえない。』


『*2 最新循環器診療マニュアル301頁』


 (4)悪性腫瘍患者に対する心房細動治療の適否


メインテート、シベノール、エリキュースいずれの薬においても悪性腫瘍患者への投与は、禁忌事項となっていない。』


上記薬が腹水貯留に何らかの影響を与えたのか否かは明らかではない。』



     ≪≪≪心房細動治療_報告書の問題点≫≫≫



『〈白内障手術の前提としての心房細動治療は不可欠ではなかったようにみえる〉と、報告書に書いていることにまったく異議はない。』


心房細動の疑いがあるとして、眼科の女性研修医が過剰な治療を要求し、それを受けて循環器医師がほとんど事務的に心房細動治療の処方をしたことで、結果的に腹部膨満となり、腹水穿刺に至った眼科医の過剰な治療要求がそもそもの悲劇の始まりであった。》


『〈患者は、75歳以上かつ高血圧であり脳梗塞リスクは高く抗凝固療法が必須であった〉と、報告書に書いているが、』


75歳以上かつ高血圧なら、脳梗塞リスクは高く、抗凝固療法が必須というのは、〈あまりに単純、短絡的過ぎ、医学的合理性を著しく欠いた論法〉である。》


75歳以上でいわゆる高血圧と言われる人は、世の中に無数にいるが、この人たちが皆、脳梗塞リスクが高く、抗凝固療法が必須であるなどと聞いたことない。自分に都合よく勝手に話を創らないように。》


75歳以上かつ高血圧なら、脳梗塞リスクが高く抗凝固療法が必須と言い出したら、抗凝固療法を受けていない多くの高血圧の高齢者が、脳梗塞を発症することになる。あまりに暴論過ぎる説明ではないか。弁護士は一体何考えているんだ。正常な頭脳の持ち主なのか。》


〈高血圧と言いながら、具体的に血圧がいくつ以上を対象とするのか説明がない〉医療は検査データに基づいて、診療内容を決めるものである。〈漠然と高血圧だから抗凝固療法が必須などというのは、素人のざれごと〉であろう。》


『病院の闇(1)』で2015年2月23日に、24時間ホルター心電図検査結果を受けて、〈循環器医師自身がカルテに書いた血圧は、126/80〉であった。これがどうして高血圧なのか高血圧ではないから、抗凝固療法は必要なかったということであろう。》


《循環器医師は確かにほっておくと脳梗塞になると口頭で母に話しているが、〈カルテには脳梗塞になるとは一言も書かれていない〉。単に保険点数稼ぎで薬を処方したいがために、母に服用を納得させようとして〈脅し、方便〉で言ったにすぎない堕落した循環器科医師である。》


『〈本件一連の投薬(メインテート、シベノール、エリキュース)が、心房細動の治療として不適切であったとはいえない〉と、報告書に書いてあるが、』


『病院の闇(1)』の2015年2月22日24時間ホルター心電図検査結果では、『要観察』とあり、『要治療』とはなってない。つまり〈不要、不急な投薬を強行した〉ことになり、不適切な処置であった。報告書の説明は間違っている。》


メインテート、シベノール、エリキュースいずれの薬においても、悪性腫瘍患者への投与は、禁忌事項となっていない〉と報告書に書いているが、』


悪性腫瘍患者への投与が禁忌事項となっていないという〈根拠、出典について報告書にはまったく説明がない〉。弁護士が勝手に自分に都合のいいように創作したのであろう。》


『病院の闇(1)』2015年2月19日に母はメールに〈血をサラサラにする薬(エリキュース、抗凝固薬)は他の病気に悪い!〉と書いている。母にエリキュースについての知識などあるわけもない。》


《当然、循環器科の医師が言った言葉をメールに書いたのであろう他の病気とは母の場合、悪性腫瘍ということになろう。癌患者である母にとっては、不適切な処方であったといえよう。》


〈上記薬(メインテート、シベノール、エリキュース)が腹水貯留に何らかの影響を与えたのか否かは明らかではない〉と、報告書に書いているが、』


『病院の闇(2)』にあるように、2015年3月30日循環器医師が、今後の処方を一方的に訪問医に委託したあと、訪問医は4月1日にメインテート4月6日にはシベノールも半減するように指示した。さらに、4月22日には主治医が三薬すべての服用中止を指示している。》


《この間お腹はどんどん膨らんできて、体重も増え始め、腹部に強い不快感を感じ始めた。一連の投薬(メインテート、シベノール、エリキュース)が腹水貯留に明らかに影響を与えていることは間違いない。》



          ≪≪≪病理解剖≫≫≫



5 病理解剖の実施及び結果報告義務違反の有無


患者は、死後の解剖を希望しており(*3)、病院側も了解していた(*4)。』


死後も、遺族から解剖希望がでたものの、死因は病死で明らかと説明し、実施しなかったが、医師には、本人(遺族含む)の求めがあった場合には、病理解剖を実施し、その結果に基づいて死因を説明すべき診療契約に付随する義務を負っていたと解される。』


病理解剖の実施及び結果報告義務違反として、医師の対応が不適切であったといえる可能性がある。』


『なお、診療契約は準委任契約として、当事者の死亡により終了するが、診療契約の当事者が死亡した後の顛末報告義務については、家族に対して報告すべき義務を負うとの裁判例があるので、病理解剖の実施及び結果報告義務について同様に考える余地がある。』


『*3 2014.8.8「最後は自宅でなくなる覚悟はある。その後剖検をきぼうされている」(カルテ122頁)


『*4「死後剖検のこともあるようで、在宅死を希望されつつも、当院での剖検も希望されています。」(カルテ543頁)


《解剖に関する上記説明に異議はない。『病院の闇(4)』の2015年6月22日で書いたように、〈主治医が患者、遺族の信頼を裏切って解剖を妨害した〉ため、死因を確定することができなかったのは、痛恨の極みであり、生涯忘れ得ぬことである。卑怯で平気で嘘をつく産婦人科主治医〉には強い憤りを禁じ得ない。》



    ≪≪≪医療事故調査報告書(1)を読み終えて≫≫≫



2016年3月4日『医療事故研究会』が選任した弁護士に医療事故調査の相談をした際、報告書をまとめるのに半年ほどかかると言われた。


半年でも長すぎると思ったが、9月末の時点で問い合わせても、まだまとめられておらず、さらに3ヶ月待たされ、契約から9ヶ月後の12月末になってやっと報告書の説明を受けた


3月に契約して調査結果が出るのは9カ月後の12月というのは、いくらなんでも異常に長すぎる。単に『やってる感』を出すためだけに報告の期日を延ばしに延ばしたようだ。


2016年12月22日、年配の男性弁護士の事務所を訪れ、2人の弁護士から報告書を渡され説明を受けた。


若手の女性弁護士が説明したが、震える声で説明するので、最初は慣れなくて極度に緊張してるのかと思ったが、どうもそうではなかったようだ。年配の弁護士の指導を受けて、強引なこじつけで医療事故に当たらずと報告書にまとめてはみたが、嘘がばれるのが怖くて緊張から声が震えていたようだ


2015年5月20日のセルブロック報告書から、余命3カ月という結論が得られるのか、専門医の所見をお願いしたが無視された助言、協力を仰ぐべき専門医との連携もないようだ。》


医療事故調査報告書は、予断を持つことなく、客観的事実に基づき具体的な根拠、出典を明示して書くものであるが、こ報告書は弁護士がまとめた、ただの感想文レベルのものである。専門家としての弁護士の矜持を感じとることができない。残念である。》


《これは『結論ありきの報告書』である。医療事故ではないという結論に導くため、不都合なところは除外し、都合のいいところだけツマミ食いして、勝手な創作を交えてまとめられたインチキ報告書』である。》


《医療事故だったとなると、裁判にもっていくことになるが、裁判を維持していくだけの能力、経験はなさそうで専門医師の協力も得られそうにないから、調査費用だけちゃっかり稼いで終了としたかったのであろう。一言でいってイカサマ弁護士』である。》


医療事故調査契約の時点で、専門医の所見を求めたのに、専門医に相談することもなく、若手女性弁護士が医学書を調べながらまとめただけの報告書であった。


医学に素人の弁護士が書いた報告書など見たいとも思わないし、医療事故報告書として、内容が不十分かつお粗末であった。これでは到底納得がいかないので、専門医にカルテ等を見てもらって、専門医の所見を付けた報告書を出してほしいと再度依頼した。


年配の弁護士は頭を抱えて、さてどうしたものかと思案していたようだが、こちらとしてもここまで来たからには、中途で打ち切るわけにもいかず、専門医の意見書をどうしても入手したいと考え、この頼りない弁護士に調査の続行を頼んだ。


専門医の意見書を得るのにどれほどの時間がかかるか聞いたところ、最初3ヶ月くらいといったが、すぐにいや半年ほどみてほしいと言われ、相変わらず時間の引き延ばしをしようとしているなとは思ったが、とにかく続行することにした。


最初の報告書に9ヶ月を要し、さらに6ヶ月が必要となると、合計1年3ヶ月となるが、やたら時間は空費されるわ、少なからぬ費用を請求されるわ、そのうえ内容はお粗末とくると、とてもじゃないが医療事故専門の弁護士の仕事とは言えない。


後日、専門医への謝礼と交通費を別途、請求された。


今回の報告書は、言ってみれば出来の悪い学生のレポートを読まされているようなもので、とても及第点を出せるような代物ではなかった。落第ものである



『弁護士に医療事故調査依頼(2)』で、専門医による医療事故報告書の説明を続ける。



   弁護士に医療事故調査依頼(2)につづく



     ≪≪≪医療事故調査報告書(1)のコピー≫≫≫